世界の市場めぐり|庶民の暮らしに出会える場所

どこの国にもある庶民の台所、暮らしの友、マーケット。
美味しそうに熟れた季節の果物。
色とりどりに並ぶ採れたて野菜。
威勢の良いおじちゃんに今夜の肉を捌いてもらったり、
早口なおばちゃんの説明を聞きながらクラフトを見て歩いたり、
市場に行けば、その国の生活の色が見えてきます。

ハワイ島


ハワイ島のマーケットの主役はやっぱりフルーツ。
マンゴー、パパイヤ、バナナ、パイナップル、、
南国のもぎたて果実を手にとって選びます。

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食べ頃のマンゴーをむんずと掴む。

この島では少し町を外れると、野生のマンゴー林があったりして、僕たちはポトポト落ちてくるマンゴーを拾い集めたりしていました。(拾いきれないほど落ちていた。)
余るほどに恵まれているので、市場にも安くて美味しい果物がいっぱい。

島内のいろんな場所で、頻繁に立つファーマーズマーケット。
Hiroの町の大きなマーケットは週に2回開催。

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シーサイドに開かれるマーケット。

もうひとつの注目は、ローハニー(非加熱ハチミツ)。

ココナッツやライチ、レフアなど、いろいろな花からできたハチミツが並んでいます。
養蜂がポピュラーなハワイ島。でスーパーでもハチミツコーナーの品揃えはいつも豊富です。

どこの生産者のどのフレーバーが一番美味しいか、お気に入りを探すのも楽しい。そんな時、マーケットなら、試食もさせてもらえるし、説明も聞けて、しかもスーパーよりちょっと安い!

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味見して、好きなフレーバーを選ぼう。

 

ポートランド


次世代のライフスタイルがある都市。オーガニックやクラフトに関心が高い人が集まるこの街では、毎日どこかで必ず市が立っています。

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公園に隣接した広いマーケットでは、水場で遊んだり、生演奏を聴いたり、様々な楽しみ方ができる。

創造都市と呼ばれるポートランド。個人でものづくりをしている人たちが集まっているだけに、クラフトマーケットがとても楽しい。各自思い思いに生み出した作品を並べています。

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こちらは陶器のお店。
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マーケットに来ている人も皆カジュアルでお洒落。

オーガニック・ファーマーズマーケットも充実。
街の中にありながら緑いっぱいの気持ちのよい空間で、各農場の自慢の野菜たちを選びます。

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緑の屋根に覆われて、ちょうど良い日差し。
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ディスプレイの仕方も工夫されていて、思わず手が伸びる。

街全体がパーマカルチャーだと言われるこの街の野菜市場、一見の価値ありです。

メキシコ


ハワイやポートランドのマーケットが主に青空市 (定期市)なのに比べ、メキシコでは常設市場(メルカド)が見ものです。

都市部などではスーパーマーケットが普及してきてはいるものの、庶民の生活にはやっぱりメルカドが欠かせません。
食料品の店から日用品、雑貨、娯楽、飲食店、、。必要なものが何でもある。

広い敷地の中に無数の店舗。通路は細く入り組んで巨大な迷路のよう。扱っているものごとに、ゾーンが分かれてはいるけれど、さっき行った店がわからなくなる、なんてことがしばしば。

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ドカドカと積まれた肉。好きな部位を量り売り。

常設ではなく、定期的に開かれる青空市 (ティアンギス) もあります。メルカドのように何でもあるティアンギスもあれば、工芸品だけのものある。ほとんど毎日開かれるティアンギスもあるし、月に数回だけのものもある。
予定をチェックしてお目当ての品を探しに。

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緑の平たいやつはサボデン。よく食卓に登場します。
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民藝品のティアンギスで見つけたトルティーヤ入れ。

お腹が空いたら、食事ができる場所があるのもメキシコ市場の良い所。
目の前で作られるタコスやケサディーヤなど、屋台の種類もいろいろあって、価格も手頃なので気軽に立ち寄れます。

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鉄板焼きのタコス。(タコスバルバコア)

キューバ


キューバにも市場はあります。ただ、社会主義国ということもあって、他の国とは少し勝手が違います。一部の食品は配給していることもあるし、旅行者では買えないものもある。

メキシコのように活気に溢れてはいないし、商売っ気があまり無い感じのキューバの市場。それでも野菜や果物がとても安く手に入ります。

二重通貨制をとっているキューバでは、スーパーや商店に売られている輸入品と、市場で売られている地元の物に大きな価格差があります。日本では考えられない違いを見てみるのも楽しい。

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野菜屋。量り売りには天秤。分銅の代わりに石を使っているお店もあった。
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肉屋。鉈のような包丁で骨ごと叩き切る。ビニル袋などを持参しないと、裸のまま渡されることになる。

 

ラトビア


ラトビアも市場が暮らしに寄り添っている国。この国も常設の市場と、定期的に立つ青空市の両方がポピュラーです。

食料品なら常設市場が豊富。肉や野菜や加工食品。
一押しはチーズなどの乳製品。安くて新鮮で美味しくて、種類も豊富。日本ではなかなか手に入らないものがずらりと並んでいます。
問題は、ラトビア語表記で読めないこと。売り手のおばちゃんも英語が通じないことが多いけれど、市場だから指差しとジェスチャーで意思疎通ができる。

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開放的な常設市場。秩序立っていてメキシコのように迷うことはない。

定期市ではバルトの可愛い雑貨や手づくりのものを、作り手自ら売りに来ています。

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クリスマス期間中に開かれていたマーケット。プレゼントに良さそうな手編みミトンやぬいぐるみ。
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商品の説明から世間話まで、おばちゃんたちの表舞台。

 

 トルコ


ラトビアのマーケットの主役が可愛いおばちゃん達だったら、トルコは髭の似合う男達。煙草を吸いながら野菜を売っているのにはツッコミを入れたくなりますが、独特の空気があって面白い。

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採れたて野菜を扱う二人

雪の降る季節、小さな港町に行きました。市が立っていたのは屋根あり壁なしの半戸外空間。寒い中皆さん自慢の生産品を並べています。

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町の中央市場

活気で溢れているというほどではなく、けれど閑散としているわけでもなく、丁度良い。これは国による違いというか、都会か田舎かの違い。

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値札がないし、値段を聞いてもトルコ語の数字が帰ってくるので、数字だけでもトルコ語を覚えると良いかも。あとは「いくらですか?」のフレーズ。
わからなかったら適当にお札を出してもちゃんとお釣りをくれるので大丈夫。

トルコの市場で気になったのがミルク。よくペットボトルに入れてドンと置かれていたので気になって聞いてみたらやっぱりミルク。濃厚でとても美味しいです。

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使い回しのペットボトルがアットホーム感。

ローカルマーケットには大きな可能性がある。
いまの経済の仕組みを、少しずつ良い方向へ変えていけるような。
それは、衣食住の”食”の部分の革命(というか復興?)。

売る人(作った人)と顔を合わせながら買い物をする。
同じ地域共同体の中で、モノを回していく。
あそこのおばさんの漬物は絶品だとか、向こうのおじさんの里芋は今年出来が良いね、とか。
それぞれ得意なモノ、思い入れのあるモノを持ち寄る。
必要とする誰かが、嬉しそうな顔で買っていく。

授業で、地産地消とかフードマイレージとかバーチャルウォーターとか勉強するより、説得力がある。
コミュニティの中で、必要なだけ作って、消費することの良さ。

何より市場を歩くのは、わくわく気持ちが弾む。
コミュニティの外から来た人にも、オープンな空間。
買わなくても、並んだ品を眺めているだけで、掛け声を聞いているだけで、楽しくなる。
馴染みの人と顔を合わせ、新しい人と繋がる、特別な場所logotatsuya-01

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