バイーア、愛しちゃった。[後編]|秘境の大地と旅の終わりに

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サルバドールから内陸部に向かって420km。
バスで6時間ぐらい走ると、小さな町レンソイス(Lençóis)に辿り着く。
ここは広大な国立公園の中にある町。

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シャパーダ・ジアマンチーナ(Chapada Diamantina)という国立公園は、広大で、見所も無数にある。
レンソイスは、国立公園の大自然を楽しむ為の拠点となる町。
やってきた人たちは、この町に滞在しながら、公園内のツアーへ繰り出していく。

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町のツアー会社が人を集めて、グループで繰り出す
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天然プール。透明な水が気持ちいい。結構冷たい(プラチーニャ/Pratinha)
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プールは奥の洞窟内部まで続いていて、シュノーケリングもできる
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「悪魔の泉」黒くて深い池は底が見えない。上の方から伸びてロープは滑車ターザン用
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岩盤の中にできたサファイアブルーの泉
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どこまでも続く公園内を望む丘。空を飛べそうな景色
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ガイドのマルセオ・ルイス氏。気遣いと陽気さを兼ね備えたブラジル人
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ここは町から歩いて行ける池。奥には天然のウォータースライダー。岩肌の上を水着で滑る。みんな平気でやってるけど、絶対お尻痛い。


出かける場所はたくさんあるけれど、ツアーに行かずに町の中でのんびり過ごすのもあり。
ゆったりした雰囲気の町で過ごす時間は、旅の疲れを癒してくれる。

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のどかな町並み。開け放たれた窓から見えてくるそれぞれの家庭。田舎旅の魅力は、人々の暮らしが近くで見れるところ。
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中心地は窓辺が飾られている
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何度か通った定食屋さん。煮込みが美味い
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町のメインストリート。夜は、道に机が並び、観光客で賑わう

旅の最後の一週間。帰国を目前にレンソイスでのんびり過ごす日々。
帰国後の予定を考えたり、旅の振り返りをしたり。

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木々に囲まれた宿のテラス。ハンモックとアイスコーヒー
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窓辺には眠たげな猫

夜になったら商店にビールを買いに。
地元の人たちが集う商店。店主のおっちゃんの人柄に惹かれ、僕たちも毎晩通った。

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酒場なのか商店なのか。小さな窓からビールを受け取り、その場で立ち飲みスタイル。ローカル感が好き

ある晩、いつものように店の前に座ってビールを飲んでいると、僕たちのガイドをしてくれたマルセオ・ルイスがやってきた。

「仕事帰りに一杯やっていこうと思ってね」

一緒に座って飲みながら、ブラジルに来て感じていたことを話してみた。

「ブラジルに来てから、あんまり差別を感じないんだよね」

アジア人の自分たちに対してだったり、外国人の自分たちに対してだったり、差別的な扱いや眼差しはどこへ行っても出喰わすことがある。それは当然のことで、よそ者や馴れない種類の人間に対して寛容になれない人はどこにでもいる。
差別される場面に出会う度、気持ちは落ちるけれど、ある種、もう馴れのようなものがあった。
ブラジルに着いて感じていた、差別のない空気。
そもそも黒人も白人も黄色人も混ざって住んでいるから、歩いていてもジロジロ見られたりはしない。
そもそもみんなが多様だから、自分と違う人がいてもそれが普通。
だからといって他人に無関心なわけではなく、自然体で他者と接する距離感。

その空気感が嬉しくて、ブラジル人の彼に伝えた。

「ありがとう。それはブラジルの良いところかもしれないね。でもそれが全てじゃないかな。やっぱりまだ差別はあるよ」

奴隷として連れて来られた黒人の歴史は、そう簡単に過去のものにはならない。政治にも、仕事にも、普段の暮らしにも、差別はまだあるみたい。

僕たちが見た、多様な人たちが住みやすいブラジル。でもやっぱり暮らしていないと見えない部分があることをマルセオ・ルイスは教えてくれた。

ただの観光客にすぎない僕たちに、ありのままのブラジルを話してくれる彼と出会い、ますますバイーアが好きになった。

またきっと、今度はもっと時間をかけて来よう。logotatsuya-01

 

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