雪国のわらの家|リトアニアで出会ったふたつのストローベイルハウス
スペインに続き、わらの家の話。
今回は雪の降るリトアニア。
話を聞いて驚いたのは、この国ではストローベイルハウスが珍しくないということ。(もちろんまだまだ少数派ではあるけれど)
お邪魔したお宅から徒歩5分の近所にも、もう一軒あったので、そちらのお宅も一緒に紹介します。
スタイリッシュなわらの家とメルヘンなわらの家。
同じストローベイルハウスでも、いろいろな形があります。
スタイリッシュな白い家
この家に住むのは、30代の夫婦、ガビヤとアンタナス、そして猫のシャウシャ。今年の春から建て始め、もう少しで完成。まだ仕上げが残っている部分もあるけれど、住むのには問題ない。
モダンな雰囲気のこの家は僕の中の「ストローベイルハウス」のイメージを変えました。それもそのはず、この家はセルフビルド(自分たちで建てた家)ではなく、プロに依頼して建てた家。
ストローベイルハウス住宅を専門にしている人がいるということは、需要があるということ。なるほど、それだけ環境意識の高い人がいるってことか・・・
「やっぱりリトアニアは環境に関心がある人が多いの?」
「・・・別にそうでもないかな?僕らもまぁ、普通だし。」
アンタナスの素っ気ない返事。
「じゃあ、なんでこの家を建てようと思ったの?」
「昔からの夢ではあったけど。なんでだったかなー・・・壁が呼吸するから住み心地が良いし、材料が安いから。まぁもちろん環境を考えてのこともあるけど。僕らはオーガニックに関心はあるけど、オーガニッククレイジーじゃないから。」
リトアニアのエコ事情について聞きたかった思惑叶わず、釣れない返事。
けれど彼らの自然体な姿勢はとても大切だと思う。
肩肘張った思想より、等身大のニーズ。
それが普及に繋がるんだろう。日本でもそういう仕組みを作りたい。
曲線の丸みが暖かいメルヘンな家
アンタナス達の家から歩いてすぐ。こちらのお宅は丸い形のわらの家。雪の降る寒い日でしたが、家の中は薪ストーブのおかげでとても暖かく心地良い空間でした。
こちらのお宅は旦那さんのセルフビルド。ストローベイルの上に塗った土壁、仕上げの素材は卵白とモロッコ粘土(ガスール)を練りこんだ土で磨きでつるつるに。
この家は部屋の間仕切りがなく、一階はリビング、ダイニング、キッチンが一体になっている。2階の寝室とも吹き抜けで繋がっていて、家全体が一つの空間になっている。家の中心にある薪ストーブひとつで家の中を暖めてくれる。
リトアニアでは、家を建てる時まず、冬のことを考える。やっぱり夏の暑さより、冬の寒さが厳しいから。
その立場から見ると、この家は規模も素材もちょうど良く作られている。
ストローベイルハウスでも、その人の好みやその地域の環境に合わせて色々な家ができる。日本の気候に合った家はどんなものができるだろう?
日本の古民家をストローベイルハウスの要素を取り入れることで、メルヘンにしたり、モダンにしたり。色んな手法でリノベーションしたいなぁ。