ドイツでWWOOFのすゝめ|シュタイナー提唱のバイオダイナミック農法とは?
日本、ハワイ島、スペインと、WWOOFをしてきた私たち。
今回はドイツで、WWOOFすることに。
ドイツはエコ大国というイメージが強く、いわば憧れに近い。
小規模発電を可能にしたシェーナウの話。
国民投票で原発をやめたこと。(脱原子力を選択したドイツの現状と課題)
政治に影響を与えただけでなく、経済の面でも。
オーガニック市場が大きく、国民に理解されていること。
ドイツのスーパーやキッチンの棚には、オーガニック(BIO)製品やエコフレンドリー製品が、
手に届く価格で、たくさん並んでいる。
食品だけでなく、FroschやWELEDAなどの洗剤やコスメも種類豊富。
農は、哲学でありライフスタイル
オーガニック農法にもいろいろあって、単純に化学肥料や農薬を使わないだけではない。
オーストラリア発祥のパーマカルチャー、福岡正信氏が提唱し始めた自然農法、ブラジル発祥の炭素循環農法…
それから、メキシコで訪れたアリエルのファームで実践していたバイオダイナミック農法。
パーマカルチャーはオーストラリア発祥だから、日本の気候に合わない部分もあると聞いたり、
沖縄に住んでいる時には、EM農法が流行っていて、EMコンポストを試してみたり、
「自然農法はもう古い!炭素循環農法が良いらしい!」と聞いたり、、
じゃあ、一体どんな農法が日本の風土、そして自分たちの暮らしに合っているんだろう。
という疑問が、私たちの中で大きくなった。
そんなふうに考えながら、ずっと気になっていたのは、、
人智学の創始者ルドルフ・シュタイナーが提唱した、バイオダイナミック農法。
バイオダイナミック農法とは…
biodynamique(仏)、biodinamico(伊)、biodynamic(英)などの短縮形。
ワイン業界とかでは、ビオディナミって呼び方の方が親しみがあるかも。
バイオダイナミック農法は、オーガニック農業の1つで、ファーム全体を1つの有機体とみなし、土壌、植物、動物の相互関係の調和を重視する。
種まき、植え付け、堆肥、草刈り、収穫などの農作業を、月の満ち欠けや周期、星の動きなどをもとに行うのが特徴。
これは、福岡正信氏や川口由一さんの自然農法とも通じる部分がある。
(実際に、アリエルやラウロたちは福岡氏を知っていたし、参考にしていた)
もう1つ独特なのが、栄養も循環するのが理想で、牛を中心に回る。外部からは肥料を取り込まない。
ハーブとミネラルでつくった調合剤(プレパラシオン)を使用する。(のちに詳しく)
本場ドイツへ
ドイツはバイオダイナミック農法の本場!
ずいぶん昔から実践しているファームが多く、認証システム(demeter)も確立されている。
ドイツでWWOOFをしたい!
という想いが強くなり、ワーホリする予定をやめ、
1〜2ヶ月くらい、WWOOFをすることに決めた。
バイオダイナミック農法の方法論自体も気になるけれど、
考え方が、かなり哲学的な印象を受ける。
実践している人たちの、精神的な部分も知れたら良いな。
2016年秋、ドイツで3つのファームに行くことが出来た。
その体験をブログに書き残してみよう。
……ドイツ WWOOF日記に続く。
★有機(オーガニック)農法とは、 (規定によって意味が変わったりするけど)、基本的には化学肥料や農薬を使わず、堆肥や微生物で土をつくる。 また、遺伝子組み換えの種苗を使わないこと。
★パーマカルチャーとは、 パーマネント(永続性)と農業(アグリカルチャー)、そして文化(カルチャー)を組み合わせた言葉。 伝統的な農業の知恵を学び、現代の科学的・技術的な知識を組み合わせて、通常の自然よりも高い生産性を持った『耕された生態系』を作り出すとともに、人間の精神や、社会構造をも包括した『永続する文化』をかたちづくるデザイン手法。 パーマカルチャーの基本になる3つの要素は、 ・自然のシステムをよく観察すること ・伝統的な生活や農業の知恵を学ぶこと ・現代の技術的や知識を融合させること
★自然農法とは、 不耕起(耕さない)、不除草(雑草を取らない)、不施肥(肥料を与えない)、無農薬(農薬を使用しない)を特徴とする農法。 ただし、自然農法は実践者によって手法がさまざま。 海外でも有名なのは、福岡正信氏の「わら一本の革命」。 イタリア・トスカーナ地方のチンタセネーゼ豚や、木村さんの奇跡のリンゴも、福岡氏の影響を受けている。