バイーア、愛しちゃった。[前編]|アフロ・ブラジリアンの鼓動

ブラジル北東部、バイーア州。

「ブラジルを旅するんだったら、どこがお勧めかな?」

ブラジリアンにこう尋ねると、かなりの割合でバイーアの名前が挙がる。
比べられるほど他の地域に行ったわけではないけれど、もし誰かにこの質問をされたら、
僕もきっとバイーアと答える。

むしろ

「二年間の旅の中で、どこが良かった?」

と聞かれても、バイーアはかなり上位にランクイン。

そんな魅力溢れる場所のこと。今回はバイーアのお話です。

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アフロ・ブラジリアンの聖地


バイーアの州都はサルバドール。

無秩序に広がるコンクリートの住宅地の中に所々、ブーゲンビレアが咲いている。どこか沖縄のような雰囲気。
海岸に行けば、どこまでも続くビーチと青い空。ハワイを思い出す。
コロニアルな旧市街や、気怠い感じの商店は、なんだかキューバみたい。

いろんなところが、懐かしい。
けれど、やっぱりここはブラジル。

外を行き交う人々はほとんどが黒人系で、誰もがそれぞれ、自分のファンキーなスタイルを持っている。
イカしたアフロの人が多いから、

「いいなー。俺もパーマ屋さん行こうかなー」
「あれは天然じゃない?真似できないでしょ。やっぱ髪質から違うねー」

みたいなやりとりを何度もする。
髪型も服装も主張が激しく、色とりどり。

向こうからサンバが流れてきたと思ったら、こっちではカポエイラ、あっちでは太鼓の音、通り過ぎる車のステレオからはアシェー。様々なリズムが、この街には溢れている。

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ハワイを思い出す長い海岸線。バスで走ると一時間ぐらいこんな景色が続く
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旧市街の様子
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体格のいい女性たちが多い。痩せたも太った人も露出度の高い服装。自分の体型を隠したりしない
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おばちゃ..お姉さんのTバックも珍しくない光景
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人だかりができていたので近づいてみるとカポエイラ。美しい肉体と圧巻の動き

サルバドールは、ブラジルのイメージを一番体現している街。

かつてアフリカから労働力(奴隷)として連れてこられた黒人たちの末裔が、この街のマジョリティー。
ブラジルの中でも、黒人系(黒人やその血を引く褐色)が最も多い。
アフリカから持ち込まれ、この土地で醸された独自の文化。サンバやカポエイラを始めとしてブラジルの代名詞と言える音楽や踊りが数多くある。

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こんな感じの包容力溢れる女性たちが多い
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音に乗るっていう感覚が、生まれた時から染みついているんだろうな

サルバドールの多彩な顔


観光という目線で見ても、サルバドールとその周辺は、行くところが盛りだくさん。

賑やかな旧市街だけじゃなくて、庶民が暮らしている地域や、ちょっとした公園、港。
ビーチもエリアによって特色があって、リーゾート系、ローカル系、隠れビーチなど、毎日の行き先選びが楽しい。

市内から近郊まで走っているバスは、ほとんどのドライバーが暴走気味の運転をするけど、
路線も多くて慣れれば便利。どこでも行ける。

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Itapuãという地域にある池。地元の家族連れが一組ピクニックに来てただけで、他は誰もいなかった
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旧市街からバスで一時間ちょっとのところにあるリゾート、プライア・ド・フォルチ(Praia de Forte)。おしゃれなお店が並ぶ。
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プライア・ド・フォルチの海。干潮時だけサンゴ礁の凹みに天然プールができる。温水のなかで魚たちと遊べる。海は沖縄の方が綺麗だけどね
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港の夕日。高低差のある地形なので、海が一望できる。
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泊まっていたのは比較的ローカルな地域。バーではおっちゃんが通りでシュハスコ(炭焼き肉)を焼いていて、それをツマミにビールを一杯。
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地域によって治安の良くないところもあるみたい。Itapuãは比較的静かで立地も良くて好きだった

バイーア州全体の面積は56万km²。なんとこの州ひとつで日本全土の1.5倍。

あまりにも広大なバイーア。サルバドールの他にも見所は沢山。
限られた時間の中で僕たちは、もう一つ、レンソイスという場所に絞って滞在することに。logotatsuya-01

続く
→[後編]秘境の大地と旅の終わりに

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