スペインのわらの家|家族でナチュラルハウスを建てよう!

子供の頃、3匹の小ぶたで見たわらの家。
狼に一番最初に吹き飛ばされてしまうわらの家。
でも、わらを材料にしても、丈夫で気持ち良く住める家は建てられます。

舞台はスペインの北部、澄んだ空気の大地にビスケット色の家々が集まる人口約500人の小さな村、アングエス(Angüés)

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歩いて15分で周りきれる小さな村。

アングエスに住む夫婦、ディエゴとマイ、そして娘のドゥナ。
彼らが村のはずれに建てているわらの家(ストローベイルハウスstraw-bale house)
少しだけお手伝いをさせてもらいに行きました。

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ストローベイルハウス。手前は家庭菜園。ここで育てた野菜を今日のスープに。
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柱、梁、家根は木造。壁に藁ブロックを積んでいく。

ストローベイルハウスとは、環境に優しい家づくりの手法であるナチュラルビルディングのひとつ。
その土地で手に入る藁と土を材料にして、家を建てます。
近くの小麦農家から藁を譲ってもらい、ブロック状に圧縮。これがストローベイル。そのブロックを積み上げて壁(時には構造体)をつくり、上から土を塗って固めます。

建築素材としての藁は、防音、断熱、調湿性に優れています。上から土を塗ることで、それらの性能がより高まり、さらに強度も高まります。
土の質や環境によってわらの家としての強度や居住性は変わるけれど、アングエスの土(粘土)は乾くととても強くなり、年間を通じて比較的乾燥した気候も、ストローベイルハウスに適しています。

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壁の中に瓶を埋め込んで装飾兼採光に。
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土と水に強度を上げる為少しの藁、混ぜて捏ねて壁に塗ります。

建設中のディエゴの家には、僕たちと同じようにこの家に興味を持った人たちが手伝いに来ます。これまで100人を超える人が作業に加わっています。
僕たちがお世話になっていたのは一週間。その間にもいろんな人が訪れて来ました。

ところでスペインでは昼食が14時、夕食が21時頃が一般的。ここでの生活もそれに合わせて10時頃から作業を始め、14時にお昼休憩、午後は18時頃まで働きます。でもスペインの時間感覚は「だいたい」が多い。食後のシエスタが長引いて午後は作業無しのこともあったり。

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作業で体を動かした後のお昼は特別美味しい。 左側がドゥナとディエゴ、奥の二人は一緒に手伝いをしていたヘルマンとフェルナンド。
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隣の村の友人の家に夕食を食べに。素敵な時間。21時から食べ始めて、食事が済んでも日付が変わるまで団欒は続く。週末はよくある習慣。

ストローベイルハウスは、有機的な建築ですが、建物自体だけでなく、家を作る過程がとても有機的なことが多いと思います。
こうした家づくりをして いる人たちは、業者に任せて家を建ててもらうのではなく、自分たちの夢やアイデアでプランを描き、仲間や関心のある人たちに協力してもらい自分たちの力で家を建てる。
試行錯誤の中で生まれた想いや、材料を提供してくれる近隣との関係、協力してくれた人たちの気持ちは、家が出来上がった後も、きっとそ の家の一部として刻まれる。

少し前の日本の集落でも、誰かの家を建てる時は、棟梁を中心に村人総出で協力することもあったよう。色は違えど、ディエゴの家もそんな形の家づくりがされていました。

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完成プラン。家族3人の居住スペースが半分。もう半分はゲストハウスとして機能させる予定。

少しまた、日本に戻ってからしたい暮らしが具体的になりました。
他の地域の家づくりも見てみたい。旅を続けます。logotatsuya-01

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