ヘンプカルチャー|ラトビア、おばちゃんに人気の健康食

植物界の女王と呼ばれる、ヘンプ。
日本で大麻と言うと、マリファナのイメージで敬遠されがち。
「ヤバいだろ!?」
「法律で禁止されているじゃん!」
大麻のことを友人に話すとき、たいがいそんな過剰反応が返ってくる。
でも言わせて貰えば、大麻はマリファナだけじゃない。

かくいう私も、昔は大麻なんて危険だと思っていた一人。
大学生の時、鎌倉のカフェ・麻心を訪れ、常識が覆った。
ヘンプを使った色んな料理と、カフェ内に置かれたヘンプ関係の本。
知らないことが、たくさん書いてあった。

The organic & Hemp Style Cafe & Bar 麻心

1337
カフェで読んだ本の一冊

日本の麻文化


大麻=ヘンプは、日本で昔から暮らしに密着してきた植物。
歴史は古く、日本の古い紋様や家紋にも麻の葉が登場する。実は、神社のしめ縄はヘンプ製。大麻を祀っている神社もあるくらいだ。
大麻布は日本の古布の一つであり、繊維は気持ちの良い衣服や紙に。または丈夫な建材やロープに。油を燃料や石鹸に。ハーブとして医療に。根は畑の土を良くする。そして種(シード)は、がんもどきに入れたり、麻の実味噌にしたりして食べていたそうな。
マリファナとして吸う文化は日本になかった。

麻の実味噌をしこんでいる写真 (カフェ麻心さんより拝借)
麻の実味噌をしこんでいる写真 (カフェ麻心さんより拝借)

戦後、石油産業と化学産業を普及&発展させたいアメリカにとって、
役に立ちすぎるヘンプは、とっても邪魔な存在。
だから大麻取締法を設置&禁止され、風習ごと姿を消されてしまった。
そんな商業的理由で、日本はヘンプ文化を失ったのだとしたら、
悲しいなと思う。

けれど、最近は欧米や日本でも、健康志向な人々が増えてきた。
スーパーフードなどと言われ、その有用性が見直されている。

ラトビアのヘンプ文化


バルト三国の真ん中、ラトビア。
世界地図を広げて、どのくらいの人が正確な位置を知っているだろうか。
ラトビアの人にとっても、日本といえば寿司?くらいの認識。

そんな縁が薄そうなラトビア滞在中。
よく出会ったモノが、ヘンプでした。
泊めてもらった家庭の食卓に出てきたり、マーケットで見かけたり。

ラトビアでも、昔から栄養が濃縮されている貴重な食品として、親しまれてきたらしい。
遠い二つの国を結びつける、意外な共通点。

種から絞り作られるヘンプオイルは食用だけでなく、ボディケアやヒーリング用にも使われていたという。現在でも、スーパーで何気なく陳列されていて、驚く。

ヘンプシードの入ったチョコレートやヌガー。ヘンプシードのスクラブが入った、ヘンプオイル石けん。ヘンプ関連の色んな商品をちょちょこ目撃する。

マリファナはもちろん禁止されているから、ヘンプとマリファナがきちんと区別されいるということなんだろう。
そして、ヘンプは健康に良いという認識が失われていない。

マーケットで


リガでは街のあちこちで、毎日マーケットが開かれている。
その一つのKalnciema Kvartals(カルンツィエマ マーケット)。
チーズ、ハチミツ、焼き菓子、ピクルス、加工肉、陶器、毛糸、リネン…などなど。
所狭しとお店のテントが並んでいる。

DSC_0065
マーケットはいつ行っても大盛況。目移りしてしまう。

その中で、お客さんがひっきりなしにやって来ては、試食しては買っていくテントを見つける。
若い女性もいるが、ほとんどがおばちゃん、お婆ちゃんだ。
ヘンプオイル、ヘンプシードのお店だった。

DSC_0057
試食するかわいいおばあちゃんたち。

話を聞いてみる。
お店のお姉さんは、お客さんの対応で忙しい中、笑顔でテキパキ話してくれた。
「自分たちでヘンプを育てて、収穫しているのよ。もちろん大麻栽培免許は持ってるわよ」
「畑が見たいの?今は冬だから全部刈り取った後よ。何も無いわよ!」

DSC_0063

質問を続けようとする私たちに、連絡先を渡してくれた。
連絡をすると、親切に畑の写真や資料をたくさん送ってくれた。

Attēls0299
収穫前の大麻。思っていたより巨大。
Fotoattēls-0019
収穫後の畑の様子。

Roasted Ground Hemp Seeds


私たちが特に気に入ったのは、ローストしたヘンプシード。
ほのかに苦く黒ごまのような食感、きな粉のような香り。
ヘンプシード:バター(理想2:1)で混ぜて、パンに塗って食べるのが伝統的なレシピのひとつ。
ラトビアの家庭では、野菜スープと一緒にこのレシピで出てきました。

私たちは、バターの他にハチミツも練りこんで、朝食に。
どんなパンでも良いのだけれど、伝統的な木の実入りライ麦パンが一番合う。

IMG_0590
ライ麦パンと、バター&蜂蜜&炒りヘンプシード。

他にも、そのまま食べたり、サラダに振りかけたり、ポリッジに入れたり。クッキーやアイスクリームなどのスイーツと合わせても美味しい。

そんなヘンプシードを、少しだけ日本に送りました。(→SHOP)
ラトビアの伝統食を共有してもらうのと同時に、ヘンプについて考えるきっかけになったらな…と思います。

DSC_0195
シード自身のオイルで、少ししっとりとしている。バターとすぐ馴染む。
DSC_0198
パッケージもお洒落。

logo sho-01

2 thoughts on “ヘンプカルチャー|ラトビア、おばちゃんに人気の健康食

  • 2017-08-24 at 12:30 AM
    Permalink

    こんにちは。

    来月ラトビアに旅行に行きます。
    この記事を読ませていただき、ラトビアのヘンプシードを買ってきたいと思っているのですが、飛行機への持ち込みが出来るか心配です。(少し湿っているということもあり)麻でも食用なら大丈夫なのかどうか、もしご存知でしたら教えていただけますでしょうか。

    よろしくお願いします。

    Reply
    • 2017-08-25 at 7:52 PM
      Permalink

      コメントありがとうございます。

      実はラトビアでは、ヘンプシードやヘンプオイルなどの大麻由来の製品の国外輸出は禁止されています。
      私たちは、荷物を送ろうと郵便局へ行き、どんなに少量でも送ることは出来ないと言われてしまいました。
      ただし、荷物の中身は自己申告制で、中身自体のチェックはありませんでした。

      私たちは飛行機で運んでいないので、残念ながら分かりません。
      お力になれず、申し訳ありません。

      近年、ヘンプは見直され、法も緩和されつつあるので、また事情は変わっているかもしれません。
      現地で調べてみるのが、確実かもしれません。

      ご旅行が素晴らしいものになりますように^_^

      Reply

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です